モジュールとは
これまで1つのPythonファイルでPythonのコードを作ってきましたが実際の開発ではファイルをいくつかに分割して部品のように扱います。
予め作った外部から呼び出せるPythonのファイルやファイルの塊をモジュールと呼びます。ライブラリと呼ばれることもあります。モジュールは大きく分けると以下の2つに分類できます。
- 標準ライブラリ
- サードーパーティ製ライブラリと独自モジュール
標準ライブラリとは組み込みモジュールとも呼ばれ、Pythonをインストールすると一緒に同梱されているモジュールのことです。
また、標準ライブラリ以外に自分でモジュールを作成することも可能でサードーパーティ製ライブラリと呼ばれます。インストールや適切な場所に配置する必要があります。特に自分で作成したものを独自モジュールや自作モジュールと呼ぶ場合があります。
この講座では予め用意されたモジュールの使用方法について解説します。独自モジュールの作成方法は入門編を参照してください。
モジュールの例 mathモジュール
さっそくモジュールを使ってみましょう。モジュールの使用方法を具体的な例として標準ライブラリのmathモジュールを使用して解説します。
モジュールを使用する場合はimport文を使用します。またモジュールには関数や定数、固有の型などが含まれており、呼び出す場合はドットでつなげて呼び出します。
例えば以下のコードではmathモジュールをインポートし、mathモジュールに含まれているpi(円周率)の定数をprint出力しています。
import math print(math.pi)
また、piだけ使用したい場合は以下のようにfromを使用した書き方でpiのみインポートすることも可能です。
from math import pi print(pi)
さらに使ってみましょう。mathモジュールには、上記の定数以外にも三角関数、指数関数、対数関数等、様々な数学計算の関数が用意されています。
定数
pi | 円周率 |
e | 自然対数の底 |
関数
sin(x) | ラジアンxの正弦 |
cos(x) | ラジアンxの余弦 |
tan(x) | ラジアンxの正接 |
pow(x, y) | xのy乗 |
exp(x) | 自然対数の底としたeのx乗 |
log(x) | xの10を底とした対数(常用対数) |
log(x, base) | xのbaseを底とした対数(常用対数) |
log10(x) | xの10を底とした対数(常用対数) |
例えば、1/2πの正弦を求める場合、以下のように記述します。
import math x = math.pi / 2 y = math.sin(x) print(y)
もしこれらの関数を自分でコーディングしようとするとよほどスキルの高い人でない限り非常に大変ですが、Pythonを使用するとモジュールの助けによりこういった複雑な処理がわずか数行で書けてしまうという点が大きな利便性となっています。
学習されている方には「なるべく自分でコードを書かないで利用できるライブラリがないかを常に探すようにする」という点を心に留めていただきたいと思います。
演習
それでは演習です。モジュールを使用したコードを書いてみましょう。
演習1
mathモジュールをインポートし、自然対数の底をprint出力してください。
解答例
import math print(math.e)
演習2
mathモジュールの定数piを使用して、半径3の円の円周と面積をそれぞれ求めてprint出力してください。
解答例
import math # r=半径 r = 3 # 直径R = 半径 * 2 R = 3 * 2 # 円周C = 直径R * 円周率 C = R * math.pi print(C) # 面積S = 半径r * 半径r * 円周率 S = r * r * math.pi print(S)