iniファイル
一般的に、データベースの接続先や、保存先ファイルといった設定値はソースコードに直接書き込むのではなく設定ファイルを使用します。Pythonでは、設定ファイルの読み込み用に、configparserというini形式に対応したパーサーが用意されています。ini形式とは以下のような大カッコで括った「セクション」と、その配下にあるキーと値の組からなる形式です。セミコロンでコメントを入れることもできます。Windowsのレジストリなどで使用している拡張形式には対応していないので注意してください。
; iniファイルの例 [DB] host = localhost port = 3306 user = kuro pass = kuropass ; ここはコメント [FILE] ; ここもコメント output = /opt/output.txt
configparserの使用方法
それではconfigparserを使用してみましょう。以下の設定ファイルを読み込んでみます。
[SAMPLE1] ; 文字列 str_key = hogehoge ; 整数 int_key= 100 [SAMPLE2] ; 実数 float_key = 0.1 ; 論理 yes/no on/off bool_key = yes
基本的な使い方
configparserは、文字列以外に整数、実数、論理型の変数を扱うことが可能です。論理型は、yes/no以外にon/offを記述することができます。まずは基本的な使い方です。セクションとキーを指定して値を取得します。
import configparser # configファイルの読み込み config = configparser.ConfigParser() config.read('config.ini') # 値を文字列で取得する config['SAMPLE1']['str_key'] # configの型に応じた値を取得する str_value = config.get('SAMPLE1', 'str_key') int_value = config.getint('SAMPLE1', 'int_key') float_value = config.getfloat('SAMPLE2', 'float_key') bool_value = config.getboolean('SAMPLE2', 'bool_key')
8行目では辞書のようにセクションとキーを指定しています。この指定の仕方の場合、値は文字列型で取得されるため、必要に応じて型を変換する必要があります。このため、11行目以降ではget〜メソッドを使用しています。この方法を使用すると、型変換をする必要がなくなります。
その他の使い方
おそらく実務上は上記の使い方だけで十分事足りると思いますが、別の使い方も見ていきましょう。
import configparser # configファイルの読み込み config = configparser.ConfigParser() config.read('config.ini') # セクションを一覧で取得 print(config.sections()) # セクションの取得 sample1 = config['SAMPLE1'] # セクションにもgetメソッドが用意されている int_key = sample1.getint('int_key') print(int_key) # 代替値の設定 int_key = sample1.getint('int_key2','0') print(int_key)
8行目のようにsections()メソッドを指定すると、セクションを一覧で取得することができます。また、11行目にキーにセクション名だけ指定すると、セクションのオブジェクトが取得でき、14行目のようにget〜メソッドを使用することができます。設定がない場合にデフォルト値を指定したい場合は18行目のように、第2引数を指定します。