数値型
数値型にはint型(整数)、float型(実数)、complex型(複素数)の3つがあります。また、別ページで解説する真理値を表すbool型というものも数値として扱えますが、これはint型のサブクラスとして定義されています。
int型
まずはint型です。名前の通りinteger、つまり整数を表します。Pythonのint型は桁数の制限が設けられていません。このためC言語等、他の言語で使用されるlong型はありません。以下のコードは変数numに整数値5を代入してprint関数で出力しています。
num = 5 print(num) # 5
また、intに2進数、8進数、16進数の表記を利用することもできます。
進数 | 表記 |
---|---|
10進数 | そのまま記述 |
2進数 | 0b |
8進数 | 09 |
16進数 | 0x |
以下、2進数、8進数、16進数のサンプルです。
bin_val = 0b0101 print(bin_val) # 5 oct_val = 0o165 print(oct_val) # 117 hex_val = 0xfaa print(hex_val) # 4010
float型
次はfloat型です。小数を含む数値を表します。指数表記でも利用することが可能です。
x = 0.0012 print(x) # 0.0012 y = 1.2e-3 print(y) # 0.0012
上のコードは変数x、yともに表記が異なりますが、同じ値が代入されていることが確認できます。
float型の精度
float型の精度について補足します。Pythonのfloatの精度はマシンに依存します。大抵は53ビットになっていますが、お使いの環境の精度を調べる場合、以下のようにsysモジュールのfloat_infoを確認します。モジュールとインポートについては別項にて説明します。
>>> import sys >>> sys.float_info sys.float_info(max=1.7976931348623157e+308, max_exp=1024, max_10_exp=308, min=2.2250738585072014e-308, min_exp=-1021, min_10_exp=-307, dig=15, mant_dig=53, epsilon=2.220446049250313e-16, radix=2, rounds=1)
complex型
3つ目が複素数を表すcomplex型です。実数部分と虚数部分はともにfloat型となります。
定義時には実数部と虚数部を指定します。虚数部をj(iではない!!)で記述する場合と、complex関数を利用する2通りがあります。また、実数部はreal、虚数部分はimageというプロパティでアクセスすることができます。
# 複素数を定義 c1 = 2 + 3j print(c1) # (2+3j) c2 = complex(5, 6) print(c2) # (5+6j) # 実部と虚部を出力 print(c1.real) # 2.0 print(c2.imag) # 6.0
簡単な計算
次回は演算について細かく解説しますが、練習としていくつか簡単な計算をしてみましょう。
変数に数値を代入して計算してみます。
# 足し算結果を変数に代入する x = 10 y = 20 z1 = x + y print(z1) # 30 # 変数に演算結果を直接代入する z2 = 10 - 20 print(z2) # -10 # 掛け算結果を表示する print(10 * 20) # 200 # 割り算の結果を変数に代入する z3 = x / y print(z3) # 0.5
上の結果のように、数値型変数同士で演算、変数に数値の演算結果を直接代入、print関数の引数として演算を指定、といったことができます。プログラミング初心者の方は実際に入力して試してみてください。