例外が発生するとログにエラー発生箇所の呼び出し履歴が順に表示されますが、こういったログをスタックトレースと呼びます。tracebackモジュールを使用するとスタックトレースを取得することができます。
tracebackモジュール
基本的な使い方
try文で例外処理は施したものの、どういった原因かを調査するためにスタックトレースをログなどに出力したい場合があります。JavaのprintStackTrace等、言語によっては例外オブジェクト自身にスタックトレースを表示したり取得するメソッドが予め用意されていますが、Pythonの場合は標準ライブラリのtracebackを別途インポートして使用する必要があります。まずは簡単な例で使い方を見てみましょう。
import traceback try: hoge = 1/0 except Exception as e: # 文字列を取得する format_exec()メソッド print("エラー情報\n" + traceback.format_exc())
以下のように出力されます。
エラー情報 Traceback (most recent call last): File "trace_back_sample.py", line 4, in <module> hoge = 1/0 ZeroDivisionError: division by zero
tracebackオブジェクトの取得とファイルへの保存
tracebackに用意されている、print_exc()メソッドを使用すると、ファイルに出力することができます。実務上ではloggingの設定を使用してファイル出力する場合のほうが多いと思いますが、参考として掲載します。sys.exc_info()の(0から数えて)2番目の戻り値にトレースバックオブジェクトが格納されていますので、それを使用します。また、トレースバックのみ取得したい場合はprint_tb()メソッドを使用します。
import traceback,sys # トレースバックと例外情報の取得 try: hoge = 1/0 except Exception as e: # fileを指定しない場合はsys.stderr(標準エラー)に出力 with open('error.log', 'a') as f: traceback.print_exc(file=f) # トレースバックのみ出力 try: hoge = 1/0 except Exception as e: # ファイルに出力する print_tb tb = sys.exc_info()[2] # fileを指定しない場合はsys.stderr(標準エラー)に出力 with open('error.log', 'a') as f: traceback.print_tb(tb, file=f)